第183回 日食海外視察ツアー
並木麻輝子先生と行く
パリ・ブルターニュを巡るデザート・惣菜研究&サロン・ド・ショコラ(チョコレート見本市)視察

日程:2004年10月26日(TUE)〜11月1日(MON) 7日間

視察予定場所事前予習コーナー
地域&料理&菓子&お店

このツアーはすでに終了しました。


◆ ブルターニュ地方 ◆
 フランス北西部に位置するブルタ‐ニュ地方は、英仏海峡と大西洋に突き出た半島です。この地は豊かな自然と独自の文化をもつことで知られています。エメラルドの海岸、ピンクの花崗岩の海岸など美しいビ‐チ、険しくそびえ立つ断崖が連なる海岸線。また内陸部には伝説の森と湖、風車跡のある田園風景、壮麗な城など、素晴らしい景観が訪れる人々を魅了しています。 牡蠣や帆立、オマ‐ル海老をはじめ実に多様な海産物、加塩のバタ‐や、子羊肉、りんご酒等の産地であり、蕎麦粉を使ったクレ‐プ(ガレット)も名物料理です。 多くのフランス人がラテン民族であることとは異なり、ブルタ‐ニュの人々(ブルトン)は、ケルト民族を祖先としています。言語も文化も長い間独自のものを保ってきました。堅牢な建造物を次々に造ったロ‐マ人や、組織づくりに長けていたゲルマンの人々に対して、先住のケルト人たちは、自由な気風を持ち、自然を畏れ神秘的なものを敬い続けた民族であったと言われています。

◆  キブロン  ◆
 キブロンは海に15kmほど細長く突き出た半島の先端にある小さな街です。白い砂浜と紺碧の海を楽しむ夏のリゾートとして人気が高い街。内陸から半島の先端に向かう途中、土地が極端に狭くなり、一本道の両側まで海が迫っている感じを受けます。

☆ ブルターニュ地方でゲランドの塩田視察 ☆
【ゲランドの塩】
セル・ド・ゲランド ゲランド地方の自然保護区域に広がる塩田で、古くから伝わる製塩法を用いて作られる自然海塩。ミネラル分が多く、精製加工したり添加物を加えないため色はグレーに近い。太陽と風だけで自然に結晶化し、塩本来の旨味や栄養分がそのまま残っている。フランスをはじめ各国のシェフにも愛用者が多い。



郷土料理・菓子の紹介(参考資料:フランスの郷土料理/並木麻輝子著)

【ジゴ・ダニョー・ア・ラ・ブルトンヌ】
仔羊もも肉のブルターニュ風 ブルターニュの羊は、海風を受けてヨードもミネラルも塩分も含んだ海辺の牧草で育ち、その味やコクを吸収して調理前から下味、風味付きの極上品。よってこの料理のようにただローストするのが最上の食べ方だ。トマトで風味をつけた白インゲン豆のブルターニュ風を付け合わせるのが暗黙のキマリ。

【キ・ア・ファルツ】
ブルターニュ風ポトフフィニステール県サン・ルナン発祥の郷土料理。牛の肩ロースまたはランプやひざ肉、牛尾、塩漬けの豚バラ肉にポロネギ、オニオンなどの野菜を加え、3時間ほど煮込みむ。ここにそば粉、ラード、牛乳、そしてレーズンを合わせた「ブルターニュ風そばがき」を入れる、異色のブルターニュ流ポトフ。

【コトリヤード】
ブルターニュ風ブイヤベース ラードで炒めたタマネギにジャガイモ、アナゴ、サバなどの魚を合わせて煮たブルターニュの典型的な魚のスープ。素材の風味を生かすようシンプルに味をつけ、軽く煮るのが基本。ダシの出たスープには焼いたパンを入れて前菜とし、メインの魚には赤ワインビネガー、オイル、香草を合わせたソースを添える。

【ムール・マリニエール】
ムール貝の船乗り風 フランス全土で作られているムール料理の定番。刻んだエシャロットとニンニクを炒め、白ワイン、ムールを加え、フタをして貝の口が開いたら即食べる。ぷっくりとしたムールの旨味を最も堪能出来る調理法だ。ダシの出たスープをパンに吸わせて食べるとまた格別。山盛りのフライドポテト添えがお決まりのスタイル。

【ブルターニュの歴史とガレット(ソバ粉のクレープ)】
ブルターニュならではの産物のひとつがソバ粉。これを使ったもっとも代表的な郷土料理がガレットである。元来、土地のやせたブルターニュでは小麦がとれず、貧しい農民たちは日々の主食としてソバ粉のお粥でエネルギーを供給した。そしてキリスト教の精進日にはソバ粉のクレープを、祝祭日には贅沢品である小麦粉のクレープを焼いたという。昔は溶かしバターをかけて食べていたかガレットだが、現在は種類も豊富。ただし、フランスでは今でもクレープはデザート、食事用にはガレットと区別されている。

【ガレット】
ソバ粉のクレープ ブルターニュ発祥のガレットは、塩味の具が入った食事用のクレープ。包む具は様々だが、たいていは四方を折り畳んだスタイルで出てくる。フランスでは珍しい特産の有塩バターの芳香と塩気、端にできるお焦げも欠かせない。合わせる飲み物はシードル リンゴの発泡酒がベスト。

【ガレット・ブルトンヌ】
ブルターニュのガレット ブルターニュ自慢の有塩バターをたっぷり使ったもろくてサクサクしたビスケット。「ガレット」はソバ粉のクレープだけでなく円形の平たい菓子もこう呼ぶ。有塩バターのかすかな塩気とコクが特徴のブルターニュ銘菓だ。工場生産も盛んにされ、フランスでも有名な地方菓子の1つに数えられている。

【ファー・ブルトン】
ブルターニュの半生の焼き菓子 卵、砂糖、小麦粉、牛乳を合わせ、型に流して焼く素朴な菓子。現在はフランス中の定番で、おもに家庭で作られる菓子だが、菓子店では陶器製の楕円の型やアルミホイルの型で焼いたものが売られている。通常は干しプラムを加えるのが一般的だが、ブルターニュ地方西部ではレーズン入りもよく見かける。

【クイニー・アマン】
イースト入りバター風味の焼き菓子 ブルトン語で「クイニー」はバター、「アマン」は菓子のこと。クロワッサン生地に、バターと合わせて砂糖を折り込むため、焼き上がりは適度な弾力とざっくり感が同居する独特の食感になる。特産の有塩バターの風味と甘じょっぱい味も後を引く。この地方の菓子の中で最も古いものといわれている。

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